ハセツネ レース番外編

金木犀が香り、街路樹のイチョウが緑と黄色の綺麗なコントラストなってきた今日この頃、皆さん如何お過ごしでしょうか。
こんばんは、moderateの飯田です。
さて、ハセツネレース後から書き出したハセツネ絡みのブログ、(レース編→、装備編→)、ようやく今回の「レース番外編」で最終回となります。
正直少し引っ張り過ぎたかなと反省をしております。(まだ、コレ書いているのか!と思わないで下さい。。。)
出来るだけ、内容を濃く書きたかったので、3回に分けさせて頂いたのですが・・・。
今回のレース番外編は、レース中に私が考えた事を中心に、ハセツネを通じて感じた事等を、今までの2話に比べてざっくばらんに書かせて頂ければと思います。
■レース前半の渋滞
こちらは、このレースの名物の一つと言っても良いと思います。

スタート後、住宅地を抜けてトレイルに入りしばらくすると、こんな感じに渋滞になります。
スタート時に、自己申告で目標タイム順に並びスタートをするのですが、この自然渋滞は仕方が無い事だと思います。
スタート直後ですから、皆さんも高まる気持ちを抑えながら並んでいるのだと思いますが、どこか抑え切れず漏れた気持ちでピリピリ感満点の渋滞。
暗黙のルールなのか、レースのマナーなのか、ここの渋滞では、皆さんしっかり並んで無理な追越をする方が非常に少ないですが、それでも、その気持ちを逆撫でるかのように、トレイルから逸れ気味に無理な追い越しをされる方もしばしば。。。。
並ぶ人もレース。抜く人もレース。
レースにも色々な考え方や気持ちがあるので、抜く人が悪いとも言いませんが、正直、もう少し渋滞がバラけた後に登りの速さや、ダウンヒルのテクニックで抜いた方がよっぽどカッコイイと思うのですがね。
■レース中に考えたこと
レース前から、自分追い込まれたときに、一体何を考えるのか凄く興味があったのですが、今回はあまりあ新たな発見はありませんでした。ただ、集中していた時間帯は、しっかりと走り(行動)について考えており、また集中力が低下している時は、全く関係の無い事を考えていました。
▲集中していた時:「兎に角“フォーム”を意識した」
登りも下りもフラットも、歩きも走りも、疲れてくるとフォームが物凄くダダクサになり、余計に疲労すると考えるなかで、そういう時こそ正しいフォームと意識する事で全体的に集中が出来ていたと思う。
特に苦手な登りでは、自分が昇る斜面を見上げる回数を少なくし、仰け反りながら登らないようにと、頭(上半身)を前に倒し、目の前のトレイルを一歩ずつ登る事だけを意識した。(個人的には物凄く効果を感じている。)
また、ダウンヒルでは、足の置き場・上半身の位置を意識する事は勿論だか、如何にリラック出来るかを考た。

(写真は特に意味はありません)
▲集中していた時:「ポールの付く位置を意識した」
ポールと言っても、今まではスキーやバックカントリーバックカントリーでしか使った試がなく、レース当日までしっかりとしたポールの練習はしていなかった。それでも、今まで見てきた映像をイメージしたり、あとはレース中に試行錯誤しながら使用した訳ですが、その中で意識したのが、このポールの付く位置。

平坦~軽い登りは、ノルディックウォークをイメージしてポールを使い推進力を意識し、少しきつい登り~急登は前気味にポールを使い足への負担を軽減させる事を考えた。、また、下りを中心に走れる時は、コースの先をみながら、グリップを持ちながら走るか、バランスよくポールの真ん中を持ちながら走るかを意識し、自分なりの扱いやすさを探究した。
▼集中していなかった時:「他のランナー使用道具を観察していた」
これは完全に職業病なのかもしれません。。。
どんな状況でも、ついつい目の前のランナーの頭の先から足元まで観察していましたが、集中していない時間帯は特にそれが酷かったですかね。
また、ある程度レースがが進むと、自然と行動を共にするランナーで集団が出来る時間帯があります。その中で、お互いのコンディションの浮き沈みで、抜いたり抜かれたりを繰り返すのですが、その時に、ついついランナーの方を装備品を目印に簡単なニックネームを付けていました。
例えば、緑のルーファスに黄色のバハダの人とか。スマートウールにHOKAの人とか。
これってなんとなく、「レースあるある」なのかと思いながら、私は一体なんて思われているかと考えた結果、おそらく「アメリカ国旗野郎」と思われていたのではと思っています。(笑)

▼集中していなかった時「その他」(ホントにしょうもない事ばかりですが)
・ポールの真ん中あたりを持って走ると、電車ごっこをしているみたい。
・ポールの先に刺さる落ち葉が、まるでレタスみたい。
・沢山落ちているドングリを食べれたら、かなり行動食が減らせられるのに。
・レース終わったら何食べようか。
・SNAFUと足が言っている。
SNAFUとは、「Situation Normal All Fucked Up」の頭文字を取ったもので、第二次世界大戦中に兵士がつかっていた言葉だそうで、「状況はいつもの通りめちゃくちゃ」という意味。走っている最中に、足が張ってきて攣りそうになっているが、トレランしてるから、これがいつも通りでしょ?!と言い聞かせる。
これらは、まさに、集中ができておらず、更には、疲れが出始めている時に多かった。
●ボランティアスタッフと三頭山
ハセツネに限らずですが、コースに立たれているボランティアスタッフの方や応援の方々には本当にパワーをもらえます。
特にポイントとなる所には必ず立って頂いており、ランナーを励ます為に大きな声で声援を送ってくれており、辛くなった時に、暗闇の向こうからそんな声が耳に届くと物凄く力が漲る感じがありました。
(いつか、ボランティアスタッフもやってみたい!)
レース前半の山場の三頭山(ミトウサン)―。
コースをあまり頭に入れていなかった私は、お恥ずかしい話、三頭山(ミトウサン)を、「さんとうざん」と記憶していました。
そんな頭を持って走る私に、心温まる声でスタッフの方が、「もう少しでミトウサン山頂ですよ~」と、声を掛けて頂いてるですが、それを聞いた私の耳は「ニトウサン(ニ頭山)山頂」と聞こえており、「え!この先に見える所がニトウサン(ニ頭山)なら、三頭山(さんとうざん)ピークは、まだまだ先か。。。。」と、心が折れかけて登った山頂で、ようやく三頭山が「ミトウサン」と気が付く失態。。。
●「くっそ~」と言った一言から始まる、同じレースを戦う小さな絆
三頭山での登りの辛さを乗り越えても、月夜見まではまだまだ水不足が心配でした。そんな中、小さな登りでついつい、「くっそ~」と、溜め息交じりに発した言葉に、「ホントそうですよね」と、声を掛けてくれた後続のランナーの方。今近くを一緒に走る人達は、皆同じ気持ちなのかと、少し気もまぎれる中で、「この次の関門で、水の補給が出来るんですよね」という会話をすると、前を進むランナーの方が、「私は2時間前から水がカラです。」と、自分が置かれている状況よりも過酷な人がいる事を知る。
基本的に、選手間同士の補給の仕合も禁止されているレース。ただ、会話はそれとは関係がありません。
私は、その方の気が少しでも紛れればと、励ましの言葉を掛けた記憶があります。
自分が発した汚い言葉と溜め息から、周りに同じこと思う人が居て、それよりも過酷な人もいる事を知る。
お互いに思う事はありながら、ちょっとした声の掛けあいで、一瞬だけ小さな絆が生まれたように感じました。
その後も近くを走るランナーの方と言葉を交えながら進んだり、または、ダウンヒルのパートを一緒に声を上げながら楽しんだりし方々や、最後のラストスパートに渇を入れてくれた方等、たった13時間のレースの中で本当に沢山の出会いと小さな絆を感じた事は、今思い出しても心がほっこりと温まります。
●最後に
トレイルランニングとは非常に不思議なアクティビティだと思います。
一見、走力に自信ある人は、早くゴールが出来るし、その為の荷物も少なく軽くなるから、楽そうに見えるかもしれない。
また、走力に自信が無い人は、ゴールまでに時間もかかるし、その為の持つ荷物も多くなり重くなるから、より辛そうに見えるかもしれない。でも、夫々のランナーが同じぐらい辛い思いをしながら実は走っていて、夫々のランナーが同じくらいの楽しさを味わっています。
自分と向き合いながら。
地元の山を散策しながら走る楽しみ。
目標のレースを完走出来た喜び。
思うように走れない悔しさ。
心臓が弾けそうになる登り。
ダウンヒルのスピード感。
コレが最後の登りで後はダウンヒルだけ!と思い込んで登り切った先に、更なる現実(登り)を突きつけられた時の失望感。
水の旨さ。
エネルギーを入れた時の回復感。
絶景を見た時の爽快感。
なんか嬉しい筋肉痛の悲鳴。
まだ、経験していない領域への期待感。
レースだけが全てではないし、レースでしか味わえない事もある。
全ては、夫々に感じる、どこかにある達成感を追い求めて楽しめるアクティビティだと思います。
 勿論、トレランだけアウトドア遊びではありません、これと同じぐらいのアウトドア遊びはまだまだありますので、引き続き、moderateのブログを通じてワクワク・ドキドキする遊びをお伝え出来ればと思います。
 少し個人ブログのような内容になっておりますが、今回のレースで感じたことを、よりリアルにお伝え出来ればと思い、自分の書きたい感じで書かせて頂きました。 
最後になりましたが、拙い文章を最後までお読み頂き本当に有難う御座いました。

moderateスタッフ 飯田 崇士

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