立山に行ってきました

ようやくしっかりとした寒波が入り各地から雪の便りが届き始めましたね!
こんばんは、飯田です。
さて、昨日の定休日を利用して1泊2日にて立山へ行ってきました。
勿論、今回の寒波が入ってくる前日からという事で積雪は期待しておらず、滑る事はほぼ不可能と分かっていましたので、テント泊だけでもという気持ちで山にあがりました。(でも、格好と荷物はスノーボードを楽しめる格好で上がる事に。)
11月25日
この日まで殆ど雪も降っていなかったので、富山側から室堂に上がる事も考えましたが、木曜日以降に天候が荒れる事も分かっており、上がったは良いものの、美女平行きのバスがストップしてしまっては、下山する事が出来なくなる危険性が高かった為、やはり、今年も扇沢から上がる事に。
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(良くも悪くも、雪のなさを確信させるような扇沢の駐車場。)
室堂周辺では、丁度この日(11/25 水)から雷鳥沢野営管理所が閉鎖に入り、室堂平周辺積雪期利用適正化協議会()が取り決めの元、仮設野営指定地での幕営が可能と聞いていたもの、少し不安だった為、富山市の自然保護課 自然公園係に問い合わせた所、室堂平(慰霊碑周辺)で幕営可能という事を確認出来、少し遅めの9時過ぎより室堂平を目指す。
野営ポイントまで歩く距離も少ない事もあり、バックパックも中型サイズを二つを無理やり1個にして上がる。
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(ARC'TERYXのQuinticを背負うKhamskiを背負うスタイル)
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トロリーバスは、バスなのに電気で動く為、駆動音が電車にそっくりな為、何かいつも不思議な感じを覚える。
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登り始めが少し遅かった為、お隣の国ツアー団体と一緒に上がる事になったのですが、日本人で室堂平を目指すのは私一人だった為、常に聞こえて来る会話は中国語ばかりで立山に来たのか中国に来たのか・・・。なんとも面白い山行!
ちなみに、来年度から黒部湖~立山駅区間は手荷物代金が無料になるそうで、今シーズン(11/14~30)はテスト的に適応していた為、この区間の手荷物料金が無料に!
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ただし、来年度からは、スキーやボード、ポールやピッケルなどの危ない荷物にはカバーが必要らしく、それらにカバーがない場合は、保護カバーの購入が必要となるそうです。
(春の立山シーズンに上がられるかたは、事前にご準備くださいね!)
標高が上がるにつれて風も強くなり、そして、気温もどんどん低くなる。
​大観峰では、ついに雪が降り始めるものの全く積もっておらず、積雪量を記すポールがただただ寂しい様子。
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それでも、暗い空から降る雪に、室堂平の積雪に少し期待を膨らませる。
寝るにも寝れない各乗り物の微妙な乗車時間と待ち時間の中、ようやく室堂へ到着!
室堂ターミナル1Fにて入山届けを提出し、入山安全相談口にて仮設野営指定地の場所とトイレや水場の指示をうけ、危険な状況になればターミナルに避難する事の説明をうける。
いざ!期待を胸にターミナルの外へ出てみるものの、予想を裏切らない雪の少なさ!
そして、何よりも強風な事にかなり怯む。

中国の観光客の方に混じり、お約束の場所で記念撮影。
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スノーボードを持つ私に、雪の少なさを心配してなのか、中国の方も「滑れるのか?」的な事を聞いてきてくれるが、答えるにも中国語がわからない為、ジェスチャーで雪が無い事と視界が悪い事を表現するので精一杯。
石畳にうっすら積もった雪の上を歩き、
テントを張る為の仮設の野営ポイントのミクリガ池手前の慰霊碑を目指す。
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やはりテントを張っている方も少なく、どこかの学生グループの団体のテントが4張りほど。
次第に風が強くなり、時折、ホワイトアウトになるなかテントを張る。
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そして、撮影をする余裕があったのもココまで・・・。
強風の中テントを張るものの、薄っすら積もった雪の下の土は凍てついてカッチカチ。
勿論、ペグは効かずスノーアンカーを使用する程の雪も無い状況。
さらには、凍てついた土に薄っすら積もる雪では、都合の良い石も殆ど転がっていなければ、雪の上に少し顔を出す石を、凍った土から掘り起こすのやっとの事。
数回テントがまくられながらも、なんとか設営してテントの中に逃げ込む。
時折、そのテントすら飛ばしてしまうのではと思う程の突風の中、色々な事が頭を駆け巡る。
天候が荒れるのは木曜日の昼からの為、明日の朝イチで撤収をすればなんとかなるのか。
これから荒れる中、この突風クラスが常に吹き続けるのでは?
この時、時計は14時を回る。
兎に角、判断をしなくてはならなかった。
このままココで朝まで頑張るのかどうかを。
「頑張る」
この状況で何を頑張るのか。
全くもって「頑張る」必要が無い事に気がつく。
安全に下山をする事が一番大事で、今の自分の経験値の低さや、一人の山行という事を考えれば、
この安全なタイミングで撤収する事が一番ベスト。
いざとなれば、室堂ターミナルへ逃げ込めば良いという考えが一番危険。
それでも、色々な迷いがあり、なかなか決断出来ない。
ただ、中途半端な時間に撤収の判断を下してしまえば、ホテル立山に泊まるか、ターミナルで仮眠をさせてもらうかのどちらかになる。今なら、扇沢まで帰る事が出来る。
荒天の中の撤収時間を考えれば、本当にこの数十分の間に決めなければならない。
そして、人に迷惑を掛けずに自己責任で行動が出来る事を考えれば、今すぐ撤収するのが一番と判断。
兎に角、情けない気持ちと悔しさが残るが無事に撤収完了し、扇沢行きの最終バスの1本前に乗る事が出来た。
数時間前に、意気揚々と山に上がって行ったのに、
尻尾を巻いて下山しているような気分で情けないが仕方がない。
朝は雪の無かった扇沢も、下山してみれば雪化粧。
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雪の積もった車に戻り寝不足気味の体を休ませたかったが、さらに雪が積もればもう一つ面倒な為、兎に角、急いで街へ降りる事に。
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この後、せっかくココまで来たので、白馬へ車を向かわせ、BCツアーでお世話になっている番亭()へ行き、今日の立山の事を話しをしつつ、今シーズンのツアーの事等の打ち合わせをさせていただいた。
番亭の竹尾さんにも今回の事について色々お聞きしたが、今日みたいな日には無理をせずに上がらない方が良いとも言われ、正直、スタートの時点で良い判断が出来ていなかった事に反省をした。
帰りの道中に、今回の事をブログに書くか少し悩んだ。
目的としていたテント泊が出来ずに下山をしたある意味失敗談。
お店に立つ人間として情けなく、恥ずかしい内容だが、それでも、諦める勇気と決断出来る一つの経験が出来た事を考えれば、非常に良い山行となったと思うが、それらを盾にして決して美談化するつもりもない。
雪山シーズンは始まったばかり!
とにかく、常に正しい判断をして今シーズンを楽しみ、春の立山でリベンジでもしますかね!

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